耳で聞く本。オーディオブックの便利な点と不便な点
「オーディオブックって本当にいいものなの?目で読んだ方が頭に入ってくるんじゃないの?」
この記事はオーディオブックに興味を持っている人向けの記事です。
オーディオブックと言えば「移動中に聞いたり、作業をしながら聞いたりすることができるので、時間を効率的に使えて便利ですよ」と言われています。
これまでの目で本を読む行為と合わせて利用することで、読書時間を増やしたり、なかなか読み進められない本を読むことが出来ますよという人もいます。
僕は電子書籍からテキストを抜き出して、それを音声読み上げソフトで、オーディオブックにするというマニアックなことをやってしまうくらい、本を耳で聞くことに時間を費やしてきました。
どれくらい続けてきのか忘れてしまいましたが、三年以上やってきたと思います。
その経験から、オーディオブックの便利な点、不便な点を紹介したいと思います。おまけとして、僕の個人的な聞き方も合わせて紹介します。
この記事には次のことを書きました。
オーディオブックの便利な点、不便な点について
僕のオーディオブックの聞き方について
便利:オーディオブックはながら作業に向いている
先ず、オーディオブックの便利な点から紹介します。
小見出しにある通り、オーディオブックは手を動かしながら、身体を動かしながら、聞くことができます。
手に取って読めない状況、例えば電車の中や徒歩で移動集でも本が読めてしまうわけです。
目で読む場合、狭い空間では本を開くことができないかもしれません、他人や車に衝突するかもしれないので読みながら行動することもできません。
作業しながらオーディオブックを聞くことができるのは、普段の生活で手を止めて耳を集中して使う状況ってあまり多くないためでしょうね。耳を傾けなければいけない場面がぱっと思いつかないです。
それから、無意識的に耳を働かせることができるので、疲労が少ないことも理由に入りそうです。
いやぁ、今日は耳が疲れたなぁと感じたことはありますか?僕は無いです。大きな音を聞き過ぎて、耳がキンキンする状態が続いたことはありますけれど、イヤホンやスピーカーでオーディオブックを聞き過ぎても、そんな状態になったことは今のところありません。
「イヤホンで耳をふさいだまま歩ている人、自転車に乗っている人とぶつかるりそうになることは少なくない。耳が塞がった状態で活動するのは危険なのでは?」「注意力散漫になって、作業効率が落ちるのでは?」
こんなツッコミがあるかもしれません。
確かに、耳が塞がった状態の人とぶつかりそうになったことがあります。日本語の歌を聞きながら、本を読むと内容が全く頭に入らない経験もあります。
けれども、立っている時だけ、座っている時だけ、片耳を開けるなど、周囲に迷惑をかけないように配慮することは可能でしょう。自分の行動が他人に影響を与えないかどうか考えていくことが大切です。
ここまでをまとめると、
オーディオブックは何かの作業をしながら、耳で聞く(読む)ことができるので、行動の効率が高まる気がします。気がしますと書いた理由は作業の効率が下がっているかもしれないと思うためです。
聴覚を奪われた状態で行動することの危険さや注意力が落ちてしまうという懸念があります。オーディオブックを聞いても問題がない状況かどうかを自分で判断することは可能なので、それほど問題にはならないかもしれません。
不便:オーディオブックの効率は良くない
次に、オーディオブックを聞いていて不便に感じることを書いていきます。
オーディオブックに限らず音声データ全てに言えることですが、自分の気になるポイントだけざっと聞くことが難しいです。
プレイヤーのシークバーを動かして、好きな再生時間へジャンプできるはずなんですが、どんな内容なのかは聞いてみるまで分かりません。
これがとても不便だなぁと感じています。
そのため、目的をもって読書に臨み、はじめにや終わりにや目次から、自分の気になる部分だけを読んでいき、知りたい情報を得たところで読み終えるようなスタイルで読む人にとっては効率が悪いと言えるでしょう。
この読み方をする人は年間100冊以上の読書をする習慣を持っている方に多い気がします。読書家の人たちのSNSやブログを見ていると、こんな読み方をしています、という発信をチラホラ見かけます。
耳で聞くスピードより、目で読むスピードの方が速いなぁと感じます。読書スピードが速くない僕でそのように感じるのですから、速く読み進められる人にとっては読み上げ音声は遅い印象を受けそうですね。
読み上げ音声が黙読より遅いことを体験するには、新聞や雑誌、ネットに転がっているブログ等を声に出して読み上げる時間と、黙読する時間を比べてみるとすぐ分かるはずです。
そのままの再生速度だと目で読む方が速いかもしれないけれど、プレーヤーの倍速再生機能を利用すれば、目で読むスピードに近づけられるのでは?
確かに、再生速度を二倍速、三倍速とあげていけば目で読むスピードに近づいていくことはできます。僕も普段の再生速度は1.5倍速です。
ですが、二倍速、三倍速で読み上げる音声を30分聞いた時の疲労はかなりのものでした。読み上げられた内容の理解度もかなり低下するので、最後まで読み上げ音声を聞いたことになるだけで、効率としてはよくありません。
せっかく人間が読み上げてくれる音声も、二倍速以上では機械音声のようになってしまうので、再生速度を上げるのはあまりオススメできません。
勝間和代さんは二倍速、三倍速と読み上げ音声をあげて聞いている様なので、個人差が出てくる部分なのでしょうね。
ここまでをまとめると、
オーディオブックは全体をざっと把握したり、気になる部分だけを読む読書方式とは相性が悪いです。読み上げスピードは目で読むスピードと比べると遅いため、たくさんの本を読みたいと思っている人に向いていません。
再生速度を上げると目で読むスピードに近づくことが出来るのですが、耳の疲労が増大したり、内容が頭に入らなかったりするため、万人向けの対応策とは言えません。
個人的な使い方を紹介
ここまでの内容を踏まえて、僕のオーディオブックの聞き方も載せておきます。余計なお世話かもしれませんが。
本の先頭から通しで読みたい本、内容を自分に刷り込みたい本、内容が難しいと感じる本を読む時にオーディオブックを利用しています。読書は常にオーディオブックというわけではありません。
読み上げ速度は1.5倍速前後に設定し、一度だけでなく何度も繰り返し聞くようにしています。目で読んだ時より、内容の理解が薄い気がするので、三回は繰り返し聞いているはずです。
僕は読み上げソフトの音声に抵抗が無く、どちらかと言えば好きな方なので、電子書籍からテキストを抜き出して、読み上げソフトを使って自分用のオーディオブックを作成しています。
使っている読み上げソフトは株式会社AHS Voiceroid シリーズです。一種類の音声だと飽きが来るので、二つ以上を使っています。章単位で読み上げソフトを切り替えれば、どこまで聞いたのか忘れてしまったとしても、思い出すことが出来る効果もあります。
かなり偏ったこだわり方をしている自覚があるので、誰の参考になるか分かりませんけれど、自分のオーディオブックの聞き方について紹介しました。
まとめ
オーディオブックの便利な点、不便な点、僕のオーディオブックの聞き方について紹介しました。
耳で聞く読書法は目で読む方法を完全に置き換えるものでは無く、読み方のひとつですから、上手く利用して読書の幅を広げられるといいですよね。

C/C++で組み込み系ソフトウェア開発の仕事を10年以上やっています。怪しげなデジタルガジェットが大好きです。